大阪府議会議員 かじき一彦 公明党

広島県の3市を視察

3月25,26日(木、金) くもりのち晴れ

 会派の有志議員で広島県尾道市、広島市、呉市を視察しました。

 小津安二郎監督の「東京物語」や大林宣彦監督の「尾道三部作」など数々の映画の舞台で人気の観光地、尾道市は自転車愛好家に人気の「しまなみ海道」の起点でもあります。

 1日目にお邪魔した「ONOMICHI-U2」(写真1)は港の使わなくなった県営上屋を転用し、2014年3月に開業しました。建物内は自転車を部屋に持ち込めるホテル(写真2)、瀬戸内の海産物が楽しめるレストラン(写真3)、自転車修理・貸し出しの店舗などが入っています。

 地元に事業と雇用を生み出そうとした12年に起業した会社が県の事業提案コンペに応募し、選ばれたのが始まりです。事業主体が変わっても、社員の7-8割が尾道市出身と地元に密着しています。

 この施設ができる以前、観光スポットの集まる尾道駅の東側だけがにぎわっていましたが、今は駅の西側に人の流れを引き寄せる地域活性化の貴重な存在です。

 かつて米CNNテレビが「世界の最も素晴らしい7大サイクリングコース」の一つに選ばれたこともあってか、コロナ禍の前は宿泊客の3-4割が外国人客だったそうです。

 説明をしてくださった方と一緒に写真に納まりました。自転車に乗る人をイメージしたオブジェが印象的です。(写真4)

 2日目は広島市の宇品波止場公園、広島みなと公園を訪れました。

 宇品波止場公園(2.2ヘクタール)は旧陸軍が使った岸壁(写真5)の残る歴史のある地区です。こちらは船舶の大型化に岸壁が対応していなかったことや、港湾倉庫の老朽化が目立ってきたことから2004-05年と09-12年の2回、再開発をしました。

 第1弾は大型客船バースの整備や公園の拡張をしました。第2弾は商業施設を拡大したり、結婚式場やライブハウスを誘致したりと賑わいエリアを拡張、一帯は「宇品デポルトピア」(写真6)と名付けられました。

 広島みなと公園(10ヘクタール、写真7)は01年、埋め立て地に完成しました。野外イベントができる公園であるほか、ヘリポートがあり、災害時には物資輸送拠点や避難場所、仮設住宅の建設地としての利用を想定しています。

 目の前には広島港宇品旅客ターミナル(写真8)があり、瀬戸内海の各地とつながっています。広島市の海の玄関口、中心部へ向かう路面電車やバスの停留所、タクシー乗り場もそろっています。

 その後は海上自衛隊呉資料館「てつのくじら館」(呉市)を訪れました。同館は07年4月、潜水艦と掃海艇(機雷を除去する役割を持つ艇)の2つのテーマに絞った施設として開館しました。04年まで使われていた潜水艦「あきしお」(写真9)が展示物として圧倒的な存在感を見せています。

 第二次世界大戦が終わった後、日本各地の海に残った機雷を除去する作業が現在の海上自衛隊の前身となる組織によって進められました(写真10)。大阪に掃海作業をする部隊の拠点があったのは初めて知りました。

 1990年8月のイラクによるクウェート侵攻を引き金に91年1月に始まった湾岸戦争の終了後、海上自衛隊が同年6-9月にかけて掃海作業をしたことをご記憶のかたもいらっしゃるでしょう。当時の派遣部隊指揮官がクウェートからもらった勲章(写真11)が飾ってありました。

 「あきしお」の内部も見学しました。艦内のある日の食事を再現していました(写真12)。閉ざされた空間での実際の活動がどのようなものなのか、想像のしようもありません。「国の安全を守る」というのは決してたやすいことではない、と痛感させられました。

 おまけの2枚。お天気にも恵まれました。海側から見た宇品旅客ターミナル(写真13)と1909年建築の旧広島水上警察署(写真14)、被爆を乗り越えて今も残っています。


写真1

写真2

写真3

写真4

写真5

写真6

写真7

写真8

写真9

写真10

写真11

写真12

写真13

写真14

府議会環境農林水産常任委員会で質疑

3月15日(月) 晴れ

 この日は①大阪府循環型社会推進計画②大阪府海岸漂着物等対策推進地域計画③おおさかスマートエネルギープラン④森林環境税⑤大阪エコ農業総合推進対策事業⑥フードテック⑦農林漁業者と異業種の連携、の7つのテーマを取り上げました。

 ①ごみのリサイクル率を高め、最終処分量を減らすことなどを目指す「大阪府循環型社会推進計画」は21年度から25年度までを対象とする新計画を立てます。

 特にプラスチックごみの削減に力を入れ、排出量は19年度比14%減の21万トン、リサイクル率は50%と23ポイントアップを目指します。

 府民には一段のマイバッグ、マイボトルの利用を呼び掛けるほか、プラスチックの分別収集をしていない市町村に実施を働きかけます。目標達成に向け、毎年度府や市町村の取り組み状況を公表するとのことです。

 ②2017年3月にまとめた現行の計画を18年の海岸漂着物処理推進法の改正を踏まえ、漂流・海底ごみなどの対策の追加や、19年6月の「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」の内容を反映させるものです。

 30年度までに大阪湾に流入するプラスチックごみの量の半減を目指し、市町村や事業者などと連携しきめ細やかな発生抑制策に取り組みます。

 ③国が掲げる50年の二酸化炭素排出量ゼロを目指し、府もまず30年度の再生可能エネルギーの利用率を倍増の35%以上を目標に掲げました。

 また、エネルギー利用効率を30年度は12年度に比べ40%以上改善することも盛り込んでいます。

 行政や民間企業、府民等でつくる「おおさかスマートエネルギー協議会」の部門別会議を積極的に活用し、実現に向け取り組んでいきます。

 ④府は都市緑化を活用した猛暑対策と森林の土石流・流木対策を進めるため、森林環境税として2020年度から23年度までの4年間、個人府民税均等割額に年間300円を上乗せしています。

 駅前広場やバス停の緑化やドライミスト設置といった猛暑対策について、20年度は21件を採択済みで、21年度は50件の採択を目指すとのことです。

 昨年12月の同委員会でもこのテーマに触れ、設置個所についてアンケート回答者の8割が「涼しく感じた」「少し涼しく感じた」と評価しています。この夏はさらに効果を実感してもらえるよう、府がしっかり取り組むべき、と求めました。

 ⑤この事業には重要病害虫の防除が含まれ、ウメやモモなどに寄生する特定外来生物の「クビアカツヤカミキリ」の対策費が計上されました。

 国事業を活用し生産者団体に農薬やネットなどの防除資材購入費や、被害のひどい果樹の伐採、処分費用を補助します。

 ⑥畜産業による環境への負荷を減らすため、大豆たんぱく由来の「代替肉」や、動物の細胞を人工的に増殖した「培養肉」が注目されています。2025年の大阪・関西万博に向け、先進的な取り組みをしている企業の動向をつかみ、食品産業の振興につなげる、との答弁がありました。

 ⑦農林漁業者がこのような商品をつくりたい、との発想から「6次産業化」が始まっていたのに対し、商品開発の前から研究機関や大学など多様な参加者がアイデアを出し合い、販売戦略を含めた新たな食ビジネスを作り出そうとするものです。新たな発想、取り組みに期待をしています。

 この日の質疑の様子は府議会のホームページで見ることができます。アドレスはこちら。

 http://www.gikai-chukei.jp/ 環境農林水産常任 を選んでください。


府立東淀川支援学校を視察

3月1日(月) 晴れ

 会派の有志議員で大阪府立東淀川支援学校(大阪市東淀川区)を視察しました。(写真1)

 もとの大阪市立中島中学校を転用し、2015年4月に市立東淀川特別支援学校として開校、翌16年4月に府に移管されました。現在は小中高合わせて約270人の児童・生徒が在籍しています。

 中学校だったので校庭は広々としていますが(写真2)、最も古い箇所は築60年を過ぎ老朽化が目立ちます。バリアフリー化にしても、和式便器にカバーを付けて洋式化するといった箇所もありました。(写真3)

 小学生向けの遊具はジャングルジムなど3種類のみ(写真4)。滑り台がほしい、とのことでした。

 支援学校に通う児童・生徒の数は今後も増える見込みです。大阪市の北部地域だともと府立西淀川高校(大阪市西淀川区)を支援学校に転用する計画ですが、まだしばらく時間がかかります。既存の支援学校の学習環境をよくするべく、取り組んでいきます。


写真1

写真2

写真3

写真4